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マラソン

2020/8/21

【お役立ち情報】時間がないを言い訳にしない!忙しい人のための効率のいいトレーニング方法

市民ランナーの多くが仕事を持ち、思うようにランニングの時間を確保できない状況にありますよね。土日などの休日に走り込むにしても、1回で走れる距離には限度があり月間走行距離が伸ばせずに悩んでいるランナーも多いかと思います。

とはいえランニングよりも仕事を優先するのは仕方のないことです。でもトレーニング時間は長ければいいというものでもなく、むしろ効率的に行うことでケガのリスクも減らすことができます。そこで、ここでは短時間で効果的に鍛えられるトレーニング方法をご紹介します。

■筋力と筋持久力をアップさせるならスクワット

このコラムでも何度かお伝えしてきましたが、短時間トレーニングで最もおすすめなのがスクワットです。スクワットは加齢による筋力低下を補う効果があり、さらには筋持久力のアップにもつながります。さらには血流が改善して、疲労回復を促す効果も期待できます。

短時間トレーニングで取り組みたいのは、ランジ系のスクワットです。ランジスクワットは足を前後に開いた姿勢で行うスクワットで、大臀筋や大腿四頭筋、ハムストリングスを中心に、足全体を鍛えることができます。

バリエーションがいくつかありますが、1分間のスクワットがおよそ1kmのランニングに匹敵する強度だと言われています。このため、20分間のランジスクワットを行えば20kmを走ったのと同じ負荷を足に与えることができます。

20kmを走ろうと思うと、1時間30分〜2時間30分くらいかかるかと思いますが、そのトレーニングが20分で済むわけです。もちろん100%の互換性があるわけではありませんが、「20分しか時間がないから走らない」なんて言い訳をする必要がなくなります。

夜の入浴前に10〜20分のスクワットタイムを、1週間に2回ほど設けることで筋力と筋持久力が上がります。30代後半くらいになるとランナーも筋力低下が顕著に現れますが、スクワットをすることで若い頃と同じような出力を得ることができ、マラソンのタイムも向上します。

気をつけたいのは、毎日は行わないということです。ランニングの置き換えになるとはいえ、スクワットは筋トレです。超回復を促さないと疲労が溜まっていき、そこからケガに発展します。3日に1回のペースで行い、きちんと回復させてから行うように心掛けましょう。

■短時間トレーニングの王道「坂道トレーニング」

マラソン大会で坂道を駆け上がったあと、息が切れて呼吸を整えるのに時間がかかったという経験をしたことがあるかと思います。上り坂のランニングは通常のコースと比べて、心肺機能に高い負荷をかけることができ、さらには重力もかかるため筋力と筋持久力のアップも期待できます。

●上り坂は目的に合わせてトレーニング方法を変える

上り坂でトレーニングを行うときには、2つの考え方があります。

・100〜200mの距離を80%くらいの力で走る
・1km以上の坂道をレースペースで走る

心肺機能にフォーカスを当てるなら、100〜200mの距離でのインターバルがおすすめです。坂道の傾斜にもよりますが、全力の80%程度の力で10本前後走りましょう。これくらいの距離であればトレーニング時間は30分もかかりません。

また筋持久力を高めるために、1km以上の坂道をレースペースで走るというのもおすすめです。レースペースならそれほど速くはありませんが、1kmの坂道を走り続けるというのは負荷も高く、効率よく鍛えることができます。こちらは2〜3本でかまいません。

短い距離と長い距離のいずれもバランスよく行うのが理想ですが、1km以上の長い坂がある地域は限られていますので、近場に長い坂道がない場合には100〜200mのインターバルのみでもかまいません。

●下り坂でダイナミックなフォームを身につける

坂道は下り坂もトレーニングになります。上り坂とは反対に重力を使って加速できるため、ダイナミックなフォームで可動域を広げることができ、さらには着地の衝撃も大きくなるので、足裏や関節周りの強化にもつながります。

下り坂でトレーニングをする場合の理想は3kmくらいを下がり続けることですが、こちらも山間部でもないかぎり3kmの坂道はなかなかありません。とはいえ短すぎても効果が得られませんので、少なくとも1kmを確保できるときに行うようにしましょう。

気をつけたいのは、膝などの関節に違和感があった場合には、すぐに走るのを止めるということです。下り坂は通常の何倍もの負荷が関節にかかります。膝周りの筋肉が十分にない段階では故障の原因になりますので、痛みがなくても違和感があった段階でストップしてください。

また、上り坂のトレーニングとは同時に行わないようにしてください。上りも下りもトレーニングになるからといって欲張ると足が耐えきれずに、大きなケガを負うことになります。そうならないためにも、メインではない方はジョグでつなぐように心掛けましょう。

■心肺機能を効率的に高めたいならHIIT

近所に坂道がない場合には、坂道で時短トレーニングをすることができません。そういう場合におすすめなのがHIITです。HIITはHigh Intensity Interval Trainingの略で、高強度インターバルトレーニングとも呼ばれています。

HIITにもいくつかの種類がありますが、世界中で注目されているのが「20秒の高強度運動+10秒の休息」を8セット行うタバタトレーニングです。高強度運動は何でもいいのですが、ランナーはわかりやすく、高強度のランニングでOKです。20秒間ほど全力ダッシュと10秒のジョグを8セット行ってください。

30秒の8セットですので、トレーニング時間は4分しかありません。ただし十分なウォームアップとクールダウンが必要ですので、トータルで30分程度のトレーニング時間は必要になります。2km程度のジョグで体を温めてからHIITを行い、また2km程度のジョグでクールダウンを行いましょう。

このトレーニング方法の効果は、科学的にも証明されており、忙しくて時間を確保できないという人たちの間で話題になりました。もちろん有効性は今でも変わりませんので、短時間トレーニングで心肺機能を高めて、マラソン大会でいい結果を残したい人は積極的に行ってください。

ただし、全力ダッシュをするのでケガのリスクはあります。ケガを防ぐためには十分なウォームアップが必要で、さらには8回にこだわらないことも大切です。どこか1ヶ所でも違和感があったなら、そこでトレーニングを終了させてください。

また、負荷が高いトレーニングですので週2〜3回以下に押さえておくのも重要です。効果が実感しやすく、ついつい何度も行いたくなりますが、効果が出るということはそれだけ高い負荷がかかっています。1回行ったら2日は間をあけて、疲労を抜いてから行うようにしましょう。

■走らない時間を活用して行うトレーニング

忙しくて時間がないという人でも、例えば通勤時間にトレーニングをすることで、カラダを鍛えることは可能です。生活の中にあるちょっとした動作にトレーニングを組み込むことで、走っていないのに鍛えるということも可能です。

そこで、ここでは走らない日常の時間にトレーニングを行う方法をご紹介します。

●ベアフット系シューズやインソールを活用する

通勤時のシューズに制限がないという人は、ベアフット系シューズを通勤靴に使いましょう。ベアフット系シューズというのは、ソールが薄く地面を感じられるシューズのことで、裸足感覚で歩くことができます。メレルやアルトラといったブランドが力を入れて販売しており、手軽に入手できます。

他にもナイキのフリーシリーズがベアフット系で、履いて歩くだけで足裏や足指の感覚が磨かれていきます。足の細かな筋肉まで使うため、人によっては1日歩いただけで驚くほどの筋肉痛になることもありますが、それだけ鍛えられている証拠です。

通勤は革靴でないといけないという場合には、足を鍛えられるインソールを利用しましょう。インターネットで「足を鍛える インソール」で検索すれば、該当する商品がいくつも出てきます。価格は3千〜1万円程度とリーズナブルで、こちらも履くだけで足の筋肉を目覚めさせることができます。

いずれも最初は痛みをともなうこともありますので、最初は1日1時間程度から始めて、歩行距離を徐々に伸ばすのがポイントです。

●スキマ時間に踵上げを行う

私たちは日常生活の中で、立っているだけの時間というのが意外とたくさんあります。例えば歯磨きをしている時間や、電車を待っている時間。そういうスキマ時間にトレーニングを行いましょう。立って待っている時間に踵揚げをこまめに行なってください。

大事なのは姿勢ですので、手順を詳しくご紹介します。

1.両足の踵をくっつけて親指と親指の間にこぶし1個分のスペースを作る
2.背中を軽く反った状態で、おへそを肩甲骨側に軽く引き寄せる
3.天井から糸で吊られている感覚で頭頂を高くする
4.おへそと腰から持ち上がる感覚で踵を上げる(このとき踵は離れてOK)
5.踵を上げた状態で10秒キープして、ゆっくりと下げて元の状態に戻す

このトレーニングを行うことで、ふくらはぎの筋肉と腹筋のインナーマッスルの強化ができます。さらに踵を上げてキープすることでバランス感覚を鍛えることもできます。とても地味なトレーニングですが、場所を選ばずいつでもできるというメリットがあります。

気をつけたいのは、必要以上に力を入れないことです。頑張って耐えているとい感じになるのはNGで。踵を上げても平然とした顔でいられるくらいリラックスした状態で行ってください。

●エスカレーターやエレベーターではなく階段を選ぶ

駅や会社などではエスカレーターやエレベーターを使わずに、階段を使って移動しましょう。古典的な方法ですが、階段の上り下りはかなりの運動強度があり、エスカレーターやエスカレーターをやめて、階段を使うだけでも十分なトレーニングになります。

職場ででも5階くらいの移動であれば、階段を使いましょう。もちろん急いでいる場合にはエレベーターを使うべきですが、移動を階段にすることで筋力アップにつながります。階段の上りでは大臀筋とハムストリングス、下りでは大腿四頭筋がそれぞれ鍛えられます。さらには上りでも下りでも中殿筋のトレーニングにもなります。

ちなみに、筋肉に対して負荷が高いのは上りではなく下りです。下りなんて軽くできるから意味ないと思っている人もいるようですが、ランニングの着地と同じように衝撃がかかるので、下りもきちんと効果を得ることができます。

全力で駆け上がれば心肺機能の強化にもつながりますので、マンションで暮らしているという人は、時短トレーニングとしての階段の上り下りもおすすめです。

■まとめ

最近は働き方改革の影響で残業も減り、在宅ワークをしている人も増えてきましたが、それでも忙しくなって走る時間を確保できない人は珍しくありません。そういうときに、走らないと割り切ってしまうのもいいのですが、時間がなくてもできるトレーニングはいくつもあります。

20分のスクワットでも十分すぎるトレーニングになりますし、HIITなら短時間で心肺機能を高めることができます。坂道や階段を有効活用すれば、トレーニング時間は30分程度で済みます。ベアフット系シューズでの通勤や、スキマ時間の踵上げなど工夫次第で、時間がなくても鍛えることは可能です。

「走った距離は嘘をつかない」と言われていますが、走った距離が短くても結果を出すことは可能で、その創意工夫がランニングの面白さでもあります。時間がないことを言い訳にするのは簡単ですが、言い訳をせずに与えられた環境でベストを尽くすのもランニングの醍醐味です。

長い距離を走るだけがランニングではありません。効率よくトレーニングを積み重ねて、過去の自分を乗り越えていきましょう。

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