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マラソン

2020/6/26

【お役立ち情報】シューズでタイムも安全性も変わる!ランニングシューズの選び方

シューズさえあれば、いつでもどこでも行えるランニング。ところがそのランニングシューズを選ぶときにデザインだけで選んだり、ショップ店員が勧めるまま購入したりと、あまりこだわりを持って選んでいない人がたくさんいます。

ところが、ランニングシューズというのはマラソン大会のタイムに直接影響しますし、ケガのしやすさにも関係があります。そこで、ここでは最新シューズの開発事情やコンセプトを元に、自分に最適なランニングシューズの選び方をご紹介していきます。

■最新のランニングシューズ事情

まずは最新のランニングシューズ事情についてお話します。2020年はランニングシューズにおいて大きな転機となった年です。ナイキの厚底シューズであるヴェイパーフライシリーズを履いた選手ばかりが大会の上位に入り、記録を次々に更新したことから「違反では?」という声が上がりました。

結果はみなさんのご存知のとおり「ソール厚は4cm、プレートは1枚まで」という規定が作られただけで、ナイキの厚底シューズは継続利用が認められています。

これにより、どのランニングシューズメーカーも「厚底+プレート」のランニングシューズを発売することになり、ランニングシューズのトレンドも「厚底」があたり前になりつつあります。比較的保守的なシューズづくりをしてきたアシックスでさえも、厚底であるメタライドシリーズに力を入れています。

少し前までは「厚底を履くべきかどうか」という議論がされていましたが、2020年以降は厚底があたり前の時代になります。それはトップランナーだけでなく、市民ランナーも同様の流れになります。厚底はクッション性が高く、レース後半になっても疲れにくいため、すべてのランナーが恩恵を受けられるためです。

ただし、どんなときも厚底がいいかというとそういうわけではありません。疲労が溜まりにくい、負荷が小さいということはそれだけ筋肉を鍛えにくくなります。また、クッションに頼った走りをしてしまいがちで、走りそのものが雑になることもあります。

このため、現在は用途に合わせてシューズを使い分けるのがトレンドになっています。どのように使い分ければいいのか次章で詳しく説明します。

■用途に合わせて2〜3足のランニングシューズを用意する

ランニングシューズを長持ちさせるために、シューズを2〜3足でローテーションするという人は以前からもいましたが、最近は用途ごとにシューズを使い分けるのがスタンダードです。これはトップランナーでも同じで、基本的には下記の3種類に分けられています。

・ジョグ用シューズ
・ポイント練習用シューズ
・レース用シューズ

それぞれのシューズの用途と特長について解説していきます。

●ジョグ用シューズの役割

ランニングトレーニングは週2回程度のポイント練習と、それをつなぐジョグで構成します。トレーニングメニューにもよりますが、月間走行距離の70〜80%はジョグで走ることになるため、耐久性の高さが求められます。

また、疲労抜きやフォームを定着させるときに使います。このためジョグ用シューズも人によっては2種類を使い分けています。

・リカバリーラン用
・体の感覚を研ぎ澄ます用

リカバリーラン用のシューズには、プレートのない厚底シューズを使うのが一般的です。クッション性はあるけど反発性が弱いのでスピードを出すのには不向きです。クッション性もただ柔らかいだけでなく衝撃を逃してくれるので、膝などの関節や筋肉への負担が小さくなります。

もうひとつの体の感覚を研ぎ澄ます用というのは、ベアフット系シューズとも呼ばれるもので、裸足感覚で走れるシューズです。薄底で足裏全体に刺激があり、細かい筋肉も意識して走ることができます。最近はワラーチといったサンダルで走る人も増えていますが、それも体の感覚を研ぎ澄ますのが目的です。

●ポイント練習用シューズの役割

ポイント練習というのはインターバル走やペース走といった、高負荷のトレーニングのことです。レースペースよりも速く走るので、レース用のランニングシューズを使う人もいますが、目的は筋肉や心肺機能に高い負荷をかけて、そこから超回復をさせることにあります。

ところが最近のレース用シューズは「疲労しにくい」構造になっているため、レース用のランニングシューズでポイント練習を行うと、思ったほどの負荷をかけることができません。そこでポイント練習用のシューズが必要になるというわけです。

より速いスピードを出したい場合には、「軽量でグリップ力の高い反発力のあるシューズ」が理想でクッション性の低いものを選びましょう。従来のレース用としていた薄型のシューズがおすすめですが、体の感覚を研ぎ澄ます用のシューズでも代用できます。

●レース用シューズの役割

レース用のランニングシューズは。レース後半になっても疲労しない特別なランニングシューズを選びます。最近のトレンドなら「厚底+プレート」タイプのシューズです。トップランナーでなくてもこれらのシューズには効果があり、どのレベルの選手でも記録更新が狙えます。

それも後半の失速を防ぐことができ、体への負担が小さいのでケガのリスクも下がります。ただし、これらのシューズは軽量であることも求められるため、耐久性はそれほど高くありません。しかも価格帯も高く、コストパフォーマンスが悪いというデメリットがあります。

とはいえ、これからのランニングシューズの主流になりますので、予算が限られている人はアウトレットやランニングショップなどで型落ちモデルなどが手に入るなら、入手しておきたい1足です。

■ランニングシューズを選ぶときの4つのポイント

ランニングシューズのトレンドについて把握できたら、次はいよいよ選び方です。ただシューズの選び方というのはそれほど昔から変わっていません。基本は「自分の足に合ったシューズを用途別に購入する」というだけです。

そのためには下記の4つのポイントを意識して選びましょう。

・フィット感をチェックする
・軽さを感じられるシューズを選ぶ
・用途別に同じメーカーで揃える
・練習で使うソックスを用意しておく

これだけでは分かりにくいので、それぞれのポイントについて詳しく解説していきます。

●フィット感をチェックする

まず重要なのは自分の足に合っているという点です。ランニングシューズに限らずシューズというのは、メーカーの考え出した標準的な足の形をした木型をベースに形を作ります。その標準的な足の形がより自分の足の形に近いことが理想です。

他の人の足と自分の足を比べたことがないかもしれませんが、人によって1番長い足の指が違います。親指が長い人もいれば人差し指が長い人もいます。このためシンデレラのガラスの靴ではありませんが、どんなに優れたシューズでも足の形が合う人と合わない人が出てきます。

自分の足に合わないシューズを選ぶと靴擦れや爪の内出血などにつながりますので、ランニングシューズを選ぶときには、自分の足に馴染むフィット感の高いものを選ぶ必要があります。足を入れてみて、違和感があるシューズはできるだけ避けてください。

ただし、きちんとフィットしているかどうかはフィッティング技術によって違います。きちんとしたフィッティングノウハウを持ったランニング専門店や、メーカーの直営店などでフィッティングしてもらうことをおすすめします。

●軽さを感じられるシューズを選ぶ

以前は「初心者向け=重たいシューズ」でしたが、重たいシューズというのはすでに時代遅れです。ランニングシューズは、できるだけ軽いものを選びましょう。手で持った重さではなく履いてみたときの重さがポイントです。

手で持って重く感じても、フィッティングをしっかりすると重さを感じなくなるシューズもあります。履いてみたらお店の中を少し歩いてみましょう。スムーズに歩けるようなら、重さは問題ありません。反対に重たくストレスを感じるようなら避けましょう。

ただし、レースシューズの場合には「走る」に特化しているので、歩いたり立ったりするときにバランスが悪く不安定になるものもあります。それらのシューズは履いて歩くと気持ち悪さがあります。決して走れないわけではないので、そのことを頭の片隅に置いておきましょう。

●用途別に同じメーカーで揃える

すでにお伝えしましたようにシューズは木型に合わせて作られており、木型のコンセプトはメーカーによって違います。木型はメーカーのDNAのようなものですので、同じメーカーであれば、違うシューズでも同じような感覚のフィット感を得られます。

シューズは用途ごとに使い分けるのがトレンドだとお伝えしましたが、この使い分けをするのにすべて同じメーカーで揃えると、どのシューズも違和感なく履くことができます。

3足のシューズを用意するなら、3足ともアシックス、3足ともナイキといったように揃えておくと無難です。もちろん違うメーカーを組み合わせても大きな問題はありません。より快適さを求めるときに、メーカーを揃えておくのが理想だということだけ頭に入れておいてください。

●練習で使うソックスを用意しておく

実際に試し履きをするときには、ランニングで使うソックスを持っていくか、履いていくようにしましょう。お店でも試し履き用のソックスを用意していることもありますが、例えば五本指ソックスとラウンドタイプのソックスではフィット感が大きく変わります。

ですので、普段履いているソックスを使って試し履きを行う必要があります。そういう意味ではランニングソックそのものも、できるだけ同じものを揃えるようにしましょう。薄いものや厚いものが混じっていると、練習のたびにフィッティングをやり直す必要があります。

ランニングソックは1種類に絞り、そのソックスで試し履きを行う。自分と相性のいいランニングシューズを選ぶときにはそこまでこだわってください。ランニングシューズはランナーが選べる武器のひとつです。徹底的にこだわって選びましょう。

■ランニングシューズを買い換えるタイミング

そもそもランニングシューズをどのタイミングで買い換えればいいのかわからず、ボロボロになるまで履いている人もいます。ソールが完全にすり減っても履き続けている人もいますが、これはおすすめできません。

ジョグ用:500〜1000km
ポイント練習用:1〜2シーズン
レース用:1〜2シーズン

実際にはシューズの状態を見てみる必要がありますが、ひとつの目安としてこれくらいの頻度で買い替えましょう。ジョグ用は耐久性もあるので、正しく使えば1000kmくらいまで履けます。ただ、アウトソールのゴムがすり減ってミッドソールがむきだしになったら交換しましょう。

ポイント練習用やレース用はあまり消耗しませんので、1〜2シーズンは使い続けられます。レース用となると2シーズン履いてもまだ見た目もきれいなままです。でも樹脂部品を使っているので経年劣化が起こり、シューズのポテンシャルが落ちています。

ポテンシャルが落ちたランニングシューズはケガにもつながりますので、思い切って1〜2シーズンで新しいシューズに買い替えましょう。

■まとめ

ここ数年でランニングシューズのあり方が大きく変わっています。ランニングシューズの選び方ひとつでタイムが大きく変わりますし、使い分けをすることでより高い質のトレーニングを行えるようになります。

ランニングシューズを3つ用意するというのは大変かもしれませんが、使い分けることでそれぞれのシューズの寿命も伸びますし、ケガのリスクも下がります。ちょっと無理してでも、2〜3種類のシューズを揃えておきましょう。

また、ランニングシューズのトレンドが2020年以降に大きく変わりますので、積極的に情報収集も行っておきましょう。ナイキ以外にも「厚底+プレート」のレース用シューズが続々と発売になっています。それらのレース用シューズの中から自分の足にぴったりと合う1足を見つけ出し、そのメーカーで用途ごとに揃えていきましょう。

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