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マラソン

2020/4/17

【お役立ち情報】脱自己流!知っておきたいマラソン練習の基本知識とトレーニング方法

どんなスポーツでも最初は経験者に教わって始めるものですが、マラソンの場合はなぜか誰からも教わることなく自己流で始めます。それでもフルマラソンを完走するくらいならなんとかなるものですが、練習の効率を考えるときちんと教わるのがおすすめです。

とはいえ周りに教えてくれる先輩ランナーがいないと、どういう方法で練習をすればいいのかもわかりませんよね。そこで、今回はマラソン練習の基本となる考え方と、効率よくトレーニングするためのメニューについてご紹介していきます。

■練習・食事・睡眠の3本柱を意識すること

まず頭に入れてもらわないといけないのが、練習だけでは成長しないということです。マラソンのトレーニングとしては「練習で体を疲労させ、睡眠で疲労した体を回復させる」がベースになります。

人間の体は疲労から回復したとき(48〜72時間後)に、練習前よりも少しだけ体力がアップします。これを「超回復」と呼ぶのですが、体力が上がったタイミングでさらに疲労させると、次の回復時にはさらに体力がアップします。これを何度も繰り返すことで、走れるカラダへと変化していきます。

ここで重要になってくるのが食事です。疲労した体を再構築するには原材料が必要になります。その原材料となるのが食事から摂取する栄養素というわけです。主となる栄養素はタンパク質で、タンパク質が不足すると練習で体を疲労させても十分な回復ができません。

このためマラソンのトレーニングにおいては、「練習・食事・睡眠」を常にワンセットで考えなくてはいけません。寝る時間を削ってランニングしている人もいますが、優先順位を間違えないようにしましょう。最優先すべきは睡眠で、十分な睡眠時間を確保できないなら、練習はお休みにしてください。

もちろん食事も重要で、タンパク質だけでなく炭水化物や脂質といった3大栄養素だけでなく、ミネラルなどもしっかりと摂らないと走れるカラダを作ることはできません。

しっかりと練習をして、食事にも気を使い、そして十分な睡眠時間を確保する。この3つが合わさったのがマラソントレーニングです。走るだけでは不十分だということを、まずはしっかりと頭に入れておきましょう。

■マラソン練習の基本はポイント練習とジョグ

マラソン大会に向けての練習で、何も考えずに毎日10km程度を走っている人もいるかと思います。ランニングを始めたばかりのころは、それでもある程度のレベルにまでは成長します。でも、すぐに伸び悩むことになります。

そうなると今度は月間走行距離を伸ばしがちですが、ここでは走行距離を増やすのではなく、練習の質を上げるトレーニングとしてポイント練習を行いましょう。

インターバルやペース走といった名前は聞いたことがあるかもしれませんが、このような高負荷のトレーニングを取り入れることで、筋力アップと心肺機能向上を狙えます。ポイント練習を導入することにより、今までよりも速いスピードで長く走れるようになります。

ただしポイント練習は高負荷ですので、回復するのに時間がかかります。ポイント練習の内容や負荷にもよりますが、ポイント練習をしたら、次回まで2〜3日は開けるのが一般的です。

ではその2〜3日間は何もしなくていいのかというとそうではなく、この期間はジョグを行います。ジョグというのは比較的ゆっくりしたスピードで行うランニングで、会話を楽しめるくらいのペースで走ります。もちろんジョグには意味がありますが、それについては後ほど詳しく説明します。

マラソンをしっかりと走れるようになるには、このようなポイント練習とジョグの組み合わせてトレーニングメニューを作る必要があります。次章ではそれぞれの具体的な練習方法についてご紹介していきます。

■基本となるポイント練習とジョグの練習方法

ポイント練習とジョグが大切だと分かっても、その方法がわからないという人もいますよね。そこで、インターバル・ペース走・ジョグについて具体的な練習方法についてご紹介していきます。

●インターバルトレーニング

インターバルトレーニングは、高負荷のランニングとジョグを交互に繰り返すトレーニングです。方法がいくつもあるのでトレーナーによって教える内容に違いがありますが、ここでは2つのインターバルトレーニングをご紹介します。

・1000m×4本
・400m×10本

大事なのは全力で走らないということです。インターバルというと全力疾走とジョグの組み合わせだと思っている人がいますが、大事なのは400mにしても1000mにしても、決められた距離を最後まで失速しないペースで走るということです。それも何本目でも同じペースで走ります。

もちろんゆっくり走っても意味がありません。インターバルが終わったときにオールアウトしているのが理想です。途中で疲労からペースが落ちるのもNG、力が余っているのもNGです。この感覚は自分で掴むしかありません。

400mや1000mを走ったあと、ジョグでつなぎますが、このジョグは息を整える時間です。あまり長く取りすぎても意味がありません。ジョグは400mや1000mを走るのにかかった時間分だけ行ってください。

例えば1000mを4分で走ったら、4分間のジョグを行います。それを1セットとして、決めたセット数だけ繰り返します。1000mなら4本、400mなら8本です。

こうすることで心肺機能に高い負荷をかけることができます。心臓や肺も筋肉でできていますので、高い負荷をかけることで強くなります。そういう意味でインターバルは心臓と肺の筋トレだと考えてください。

●ペース走

ペース走はとてもシンプルです。決められた距離を決められたペースで走り続けるだけです。どれくらいのペースで走るのがいいのかは、それぞれの走力によりますが、まずは5kmをぎりぎり息が切れないペースで走り続けましょう。それができるようになったら10kmに伸ばしましょう。

気をつけてほしいのは、その日のコンディションによってペースが変わるということです。ある程度のペースは事前に決めておきますが、いざ走ってみると体が重いこともありますし、気温や風の強さなどでも維持できるペースが違います。

最初の1kmを設定ペースで走ってみて、無理がないかを確認しましょう。息が上がるようでしたら、思い切ってペースを落としましょう。「これくらいなら最後まで走れそう」というところまでペースを調整して、そのまま残りを走りきってください。

ペース走を行うことで、心肺機能向上だけでなく筋持久力が上がります。最後までペースを落とすことなく、それでいて筋肉がパンパンになるくらいがちょうどです。最初はペースを掴むのが難しいですが、何度も行っていれば感覚をつかめるようになります。

●ジョグ

マラソン練習においてジョグは軽視されがちですが、実はとても重要なトレーニングになります。私たちの筋肉には「遅筋」と「速筋」の2種類がありますが、ポイント練習で鍛えられるのは主に速筋になります。でもマラソンにおいて重要なのは遅筋です。

ポイント練習を行うのはスピードを出しやすくするためであって、マラソンを走り切るには遅筋を鍛えなくてはいけません。それを行うのがジョグというわけです。

このジョグの目的は遅筋線維の毛細血管密度を上げることなので、ゆっくりと走ります。ペースは筋力によって違いますので、キロ◯分とは言えませんが、会話を楽しめるくらいのスピードで走りましょう。走っていて会話がなくなるようだと速すぎます。

自然な呼吸で余裕を持って走れるくらいを心がけてください。走力が上がってくるとゆっくりと走るのは意外と難しいものですが、ゆっくりと走ることが求められる練習ですので、必要以上に速く走らないように自分をしっかりとコントロールしましょう。

■基本となるマラソン練習のメニュー

トップランナーの場合、出場する大会から逆算して段階的に練習メニューを変えていきます。ただ、市民ランナーの場合にはそこまで気をつけなくても構いません。マラソン大会は日頃の練習の成果を確認する場ですので、基本的には下記のような練習メニューを継続しましょう。

土曜日:ペース走
日曜日:ジョグ(90分)
月曜日:休み
火曜日:ジョグ(60分)
水曜日:インターバル
木曜日:ジョグ(60分)
金曜日:ジョグ(60分)

こんなにも走れないという人もいると思いますが、それはそれで構いません。マラソンにどれだけの時間をかけられるかはそれぞれ違います。ただ、自己ベスト更新を狙って、本格的にトレーニングを行う場合には、これくらいの練習になると考えてください。

あまり時間を確保できないという場合でも上記が練習メニューのベースになりますので、自分のスキルや練習環境に合わせてアレンジしていきましょう。いくつかの練習メニューをご紹介しますので、参考にしてみてください。

●ランニングをこれから始める人の場合

土曜日:休み
日曜日:ジョグ(30〜60分)
月曜日:休み
火曜日:ジョグ(30〜60分)
水曜日:休み
木曜日:ジョグ(30〜60分)
金曜日:休み

これから走り始めるという人は、週3回のジョグを3ヶ月続けましょう。少なくとも3ヶ月はこれ以上走らないようにしてください。まずは体を作ることがとても重要で、それには思った以上に時間がかかります。ケガをしない体を作るために、これくらいの練習で抑えておきましょう。

●仕事が忙しくてあまり時間をかけられない人の場合

土曜日:ペース走 or インターバル
日曜日:ジョグ(90分)
月曜日:休み
火曜日:休み
水曜日:ジョグ(60分)
木曜日:休み
金曜日:休み

仕事が忙しいとはいえ、きちんとマラソンを完走したいなら週3日は走りましょう。そのうちの1日にポイント練習を入れて、ペース走とインターバルを1週ごとに行ってください。これくらいでも十分にフルマラソンをあるかずに走れるようにはなります。

ただ成長に時間がかかりますし、比較的早い段階でまた伸び悩むことになるかもしれませんが、それは仕方のないことです。ある程度のレベルまでは練習量が成長に直結します。あまり周りのラン仲間と比較せずに、自分なりのペースで成長していきましょう。

■違和感があったらすぐに中断しよう

ランニングを始めたばかりは、走れば走るほど速くなります。そうなってくると練習量も自然と増えていきます。ここに大きな落とし穴があります。練習量が増えるとスピードも上げられるようになりますが、そのスピードに耐えられる体ができるには少し時間がかかります。

キロ4分で走れる走力がついても、そのキロ4分を維持するための筋肉がまだできていないので、ほとんどの人がオーバートレーニングになってケガをします。

本当はケガをする前に「おかしいな」と感じることがあるはずなのですが、速く走れることの楽しさと、これくらい大丈夫という思い込みから無理して練習を続け、最終的には痛みでまったく走れなくなってしまいます。

そうなると回復するまでに時間がかかりますし、完治しないこともあります。せっかく走れるようになったのにもったいないですよね。そうならないためにも、体のどこかに異変を感じたら、そこで走るのをやめて、1週間くらいは思い切って休みましょう。

ランニング人生は何十年もあります。1週間休んでも大したことではありません。部活経験者は「休む=サボる」と考えてしまいがちですが、マラソンにおいては休むも練習です。上手に休める人だけが継続できるスポーツですので、無理せずすぐに休みましょう。

■まとめ

最後まで読んでくれた方は、トレーニングの基本的な考え方やメニューの組み方を理解してもらえたかと思います。この考え方はトップランナーでも市民ランナーでも基本的には変わりません。負荷の高さや内容に多少の違いはありますが、大きくは違いません。

自己流で走りながら試行錯誤をするのもいいですが、このトレーニング方法をベースにすることで効果的に鍛えることができます。自分のトレーニング方法に限界を感じている人や、どんな練習をしていいのかわからずに困っているという人は、ぜひ参考にしてください。

そして、くれぐれもオーバートレーニングをしてケガをしないようにだけは注意してください。違和感があったらすぐにストップです。「急がば回れ」と自分に言い聞かせて、しっかりと休んでから練習を再開させましょう。

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