昨年、約14年間続けてきたモデルを卒業し、フリーのランニングタレントとしての活動を開始した宮崎亜希さん。現在、かすみがうらマラソンでアンバサダーを、久喜マラソンでサポートランナーを務めるほか、自ら主催するAKI-RUNMATESリレーマラソンの大会をプロデュースするなど、多方面で活躍している。そんな彼女も、幼い頃は運動が大っ嫌いだったという。運動嫌いの女性がなぜ走り始めたのか、そしてなぜ今でも走り続けるのかを伺った。
──宮崎さんがマラソンにハマったきっかけを教えてください。
私は今でもすごく運動が苦手なんですけど、特に幼い頃は、運動での成功体験が一切なかったんです。体育の成績は、いつも5段階評価で1。運動会や持久走って、順位がつけられちゃうじゃないですか。もちろん、私も精一杯頑張っているんですけど、上位の人だけがおめでとうって言われて、いつもビリだった私は、「残念だったね」みたいなワードばっかり言われて、それがすごく嫌でした。
ちなみに、どれくらい運動神経が悪いかっていうと、例えば、今でもバトミントンのラリーはできないですし、バスケットボールのドリブルもできないです(笑)。もうリズム感も悪すぎで。
──それほど運動が苦手なんですね?それがどのようにしてマラソンに興味を持ったのでしょう?
2009年にランニングブームが起きた頃、私はモデルの仕事をしていたので、綺麗な体型を作るために、ジムに通って、簡単な運動だけはしていたんです。その時に、ジムでトレッドミルを使って走っている方が履いていたランニングスカートを見て、「可愛いな」って思っていたんです。
ある時、そのジムが主催で、代々木公園を走るイベントを行うから、一緒に走ろうって誘われていたんですね。でも、日焼けもしたくなかったし、そもそも走りたくもなかったので、ずっと断っていたんですけど、何度も誘われているうちに根負けして、一回だけっていうことで、半ば無理やり参加させられたんですね。
そのイベントは、代々木公園の中を本当にただただゆっくり5kmほど走るだけだったんですけど、順位をつけられなかったんですね。その時、「あれ? 今までのスポーツとはなんか違う」っていうのと、「できた」という達成感みたいなのを感じて。
その日の帰りには、ランニングスカートってどんなものがあるんだろうって、お店に探しに行っていました。店に入ると、本当におしゃれで可愛いグッズがたくさんあって、「フルセット買って、ちゃんと走ろうかな」って思い始めました。でも、私が場合の「ちゃんとやろうかな」っていうのは、フルマラソンに出るとかではなく、近所の公園で走ってみようかなとか、そういう感覚だったですけどね。そして、その日のうちに全て買ってしまいました。
その日は、帰宅したら疲れ切って寝込んでしまったんですけど、本当にその日がきっかけでしたね。
──今までマラソンを走ったことがない人にとっては、本当に参考になる話ですね。
子供の頃って、早い人だけが褒められたり評価されるじゃないですか。私は、この時、「よく5km走れましたね、頑張りましたね」って初めて言われたような気がして、それがすごく嬉しくて、「あ、できるんだ」っていう成功体験みたいなことを、生まれて初めて味わうことができたんです。走り始めてまだ10年くらいですけど、今もその時のよろこびがずっと続いています。