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マラソン

2019/1/15

再び“走り切る喜び”を感じて。加納由理がランニングの魅力を発信し、再発見し続ける理由(前編)

日本代表として世界陸上に出場するなど、トップランナーとして走り続けてきた加納由理さん。2014年に現役を引退した後は各地のマラソン大会でゲストランナーを務めるほか、ランニングスクールや講演を通じて走りの魅力を発信している。そして彼女自身もランニングの楽しさを開拓し続ける1人だ。2017年には未知の距離、100kmを走破するサロマ湖ウルトラマラソンに出場し、見事優勝した。
“生涯ランナー”として加納さんを突き動かすもの、ランニングを通して彼女が目指す世界、そしてビギナーランナーに向けたアドバイスを聞いた。

──まず、長距離走を始めたきっかけから教えてください。

元々小学生の頃から長距離を走ると速くて、小学1〜3年生の時は校内で2番、4〜6年生ではトップでした。4年生から本格的に大会にも出るようになり、県大会ではたまに負けていたものの、市ではダントツに速かったです。うちの親も元々駅伝とかマラソンが好きで、テレビでよく観ていました。でも普通なら何時間もずっと観ているのは退屈じゃないですか。だけど私は録画してまでその映像を繰り返し見ている変な子どもでした(笑)
その中で特に思い入れがあったのは大阪女子国際マラソンで、THE ALFEEさんがずっとテーマソングを歌っていました。その曲が流れる中で自分も走りたいと思ったのが選手を目指すきっかけです。

──数々のレースを経験してきた中で、初フルマラソンだった2007年大阪国際女子マラソンと引退後に最近走ったサロマ湖ウルトラマラソンでは共通した感情を持ったそうですね。

何が起きるか分からないから本当は不安なはずなんですけど、いずれの大会もそれが楽しいと思えたんです。初めてのフルマラソンは2時間23〜4分ぐらいを目標にしていて、ウルトラマラソンの時はキロ4分30秒を目指していました。もしそれをクリアできたら嬉しすぎてどうしようというワクワク感しかなくて。そういう気持ちでレースに臨めると調子もよく、沿道にチームメイトやファンがいると見えますし、ノッているから合図もできるので応援してくれる人にも喜んでもらえます。

──引退しても今なお、走り続ける加納さんの走りのモチベーションはどこから来るのでしょうか。

私は2014年5月に引退したのですが、選手晩年は怪我が多く、体はボロボロでジョギングで疲労骨折しているくらいでした。もう趣味でも走れないかもしれないというくらいまで追い込まれたのですが、でもやっぱりもう1回フルマラソンを走りたいなと思っていて、その頃にちょうど前の年走れなかった大阪マラソンのゲストランナーにお声掛けいただきました。それで少しずつ慎重にトレーニングをし始めて2015年10月の大阪マラソンを2時間45分で走ることができたんです。
そこで選手として結果が出た時とはまた別の喜びを味わいました。純粋に“マラソンを走り切る”ということに対しての喜びという意味では初めてマラソンを走った人とも共通する感情だったかもしれないですね。

──今加納さんは日々どのような形でランニングをしているのでしょうか。

私は絶対朝に走っています。デスクワークを始めてしまうと絶対行かないので。天気が悪い日を除けばほぼ毎日行っていて、だいたい15〜6km走ります。20km以上走るのが私はあまり好きじゃないので。もしここからさらにいいタイムを目指すとなればインターバルやキロ走、坂ダッシュをやるといった形になると思います。
市民ランナーの人と話をしていると結構追い込んだ練習をやってる人もいるんですけど、人の体は年々変わっていくものです。そうなるとどうしてもいい時を追いけてしまいがちです。でも私は経験上、いい時の状態やトレーニング方法を追いかけすぎない方がいいと思っています。私はマラソンはメンタルの競技だと思っているので、うまくトレーニングすることよりもスタートラインに立った時にこのレースが楽しみだと思えることが大事だと思います。

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