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マラソン

2019/1/15

元日本代表・加納由理が教える、頑張りすぎない練習のコツとランニングを通して目指す世界(後編)

現役時代はジョギングするだけで疲労骨折するほどストイックにマラソンに取り組んできた元日本代表・加納由理さん。もう二度と走れなくなるかもしれないという絶望から立ち直り、引退後はランニングの魅力を発信し続けている。
そんな彼女にこれからフルマラソンを目指すビギナーランナーへのアドバイスをもらった。

──ランニングブームの中でこれからフルマラソンを目指す人もいると思います。何かアドバイスをお願いします。

まず、全く走ったことがない人は走る習慣をつけることから始めましょう。走ったり歩いたりを繰り返しながらでもいいので週3〜4回くらいはランニングすること。
そもそもフルマラソンの制限時間は大抵6〜7時間で途中歩いても大丈夫なようになっています。ただ、それだけの長時間体を動かし続けること自体がしんどいんです。
だからまずは間を開けずに体を動かすことを継続するのが大切です。ランニング以外でも日常生活から階段を使ったり、歩いて移動したりすることでトレーニングの効果を得られます。
走る週間が付いてきたら、頑張る練習は週2回程度でいいと思います。そのうち1回は短い距離を早いペースで走る。もう1回は長めの距離を頑張ってみるといった具合にメリハリをつけましょう。
あとは走るモチベーションを上げるためにご褒美を設定するのはいいと思いますよ。私はご褒美を何にするかを考える時間が楽しくて、よく試合前にとらやの羊羹を食べていました。

──長い距離を走れば疲労感でいっぱいになると思いますが、レース後はケアをしていたのでしょうか。

特別なケアはしていなかったです。でも現役時代はレース後に1週間休養を取っていたので、温泉や旅行に出かけて、リフレッシュしていました。それと合わせてレースの振り返りや今後どうしていくかを考えます。
この前100km走った時は達成感と体の痛みが快感でしたね(笑)レースが終わった夜は壁伝いでないと部屋の中を移動できなかったのですが、それが嬉しかったんです。フルマラソンでも筋肉痛にはなりますが、こんなになるまで走ったのは久しぶりでした。

──現在は各地で行われるマラソン大会にゲストランナーとして出場されていますが、印象的な場所や走ってみたい街はありますか?

個人的にニューヨークはもう1回走ってみたいですね。現役時代に大会に出たことがあるのですが、途中で転んで動転してしまって周りを見ている余裕はなく、ギャラリーや名物など何も見られなかったので。

日本だと最近は地域毎の特色を強く出したレースが行われていて、例えば直近だと金沢マラソン。スタート地点では加賀友禅を着た女性たちが応援してくれていて、それ以降もギャラリーが途切れないんです。一般的なレースは応援があまりいない区間があったりするのですが、金沢はランナーをもてなすための取り組みとして、沿道での応援練習を年間通してやっているそうです。

──最後にマラソンを通して加納さんが作りたい世界を教えてください。

日本人の健康寿命を延ばしたいです。最近は若者でも運動不足の人が増えているので、健康的な体でいられるための活動をランニングに限らず、様々なスポーツを絡めてやっていければと考えています。その中でランニングは1人でできるという点で始めやすいので、興味を持ちつつも一歩を踏み出せていない人のお手伝いになるような活動をしていきたいと思います。

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